二人が出会ったのは運命なのか、それとも偶然なのか。
けれど、こんなことならば出会わなかった方が良かったのかもしれない。最近こう考えることが多くなってきた。
君を知らなかった方が、絶対に苦しまずにすんだ。
しかし、
「嫌だ」
と否定する自分がいて。
だから、自分の存在を否定して、
でも、考えるのも馬鹿馬鹿しくなってきたようであり、悲しいやら悔しいやら分からない日が続くようになった。
嗚呼・・・・ 神がいるのなら問うてみたい。
俺達に幸せはあるのかと。
幸せの形がわからなくなりそうだ・・・・・・。
幸セ探シ
頭が痛い。
ベッドの中で自分の体調不良に、何故だか無償に腹が立った。
まだあの書類は目を通していないだとか、サインをしていないとか。
しかし考えていくうちにどうでもよくなって、綱吉はベッドの中で丸まった。もう一眠りしようと思ったからだ。
自分の隣には、まだ寝息をたてている彼女の姿。
今は閉ざされているが、その両方の双眸には混じりけの無い赤色の珠と、海のように深い青色の珠が埋められている。
骸のもつ、自分とは違った指が絡むことなく通る髪に綱吉はそっとキスをする。
綱吉は毎日彼女に焦がれて。でもその愛が交わることは無くて、いつまで経っても平行線の恋だった。
けれども綱吉は、彼女が自分の隣にいることが幸せであったし、骸も傍にいるのがなんとなく好きだったりした。
だからそれ以上は求めず、ただその愛を特別に伝えようと言うわけでもなく、平行線で良かったのだ。
「 つな・・・よ・・し・・・・・くん・・・・ 」
小さな声で彼女が綱吉の名前を呼んだ。
それが寝言だとしても、なんとなく綱吉は嬉しかった。それと同時に骸のユメの中が気になった。
骸が今、どんな夢をみているのか。
彼女は幼い頃に不幸なことしかなかったから、今だけでも、夢の中だけでも幸せであって欲しい。
綱吉はそう願うのだった。
「 骸、愛してるよ。 」
たとえそれがニセモノの愛だとしても、
「 お前を絶対守ってみせる。 」
それが火の海で、地獄の果てだとしても、
「 俺はお前に一握りの幸せを与えてあげたいんだ。 」
俺が愛せなかったぶんは、きっと取り返して見せるよ。
* * * *
・・・・・・・まだ続くよ。